先日、台風15号が九州に接近しましたが、上陸前に温帯低気圧に変わりました。
以前には、今回の台風のように温帯低気圧に変わらず、台風の勢力が弱まり、熱帯低気圧になったというのを聞いたことがあったなあと思い出しました。
今までは、あまり深く考えずに、そういうものなんだと聞き流していましたが、この度は熱帯低気圧と温帯低気圧の違いってなんだろうと気になったので、少し調べてみました。
熱帯低気圧と温帯低気圧の違い
熱帯低気圧とは
熱帯や亜熱帯の温かい海によって、海上の湿った(海水が蒸発した水蒸気を含んだ)空気が暖められ、上昇します。
上昇した空気中の水蒸気は、高度が上がれば冷やされますが、水滴になる際には、凝縮潜熱(気化熱の逆といった感じでしょうか)により、暖かいままなので上昇気流は強くなり、かなりの高度まで上昇し、積乱雲を作ります。
空気が上昇したあとの海上は、気圧が下がるので周りの空気が流れ込みます。
このようにしてできた低気圧が熱帯低気圧で、周りの流れこむ空気の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s以上になったものを台風と呼ばれます。
温帯低気圧とは
主に温帯で発生する低気圧で、天気予報で単に低気圧といえば、温帯低気圧のことです。
はじめに、北の冷たい空気と南の暖かい空気がぶつかって、混ざり合おうとして渦を巻きます。
この時、冷たい空気は下へ、暖かい空気は上へ行こうとしますので、上昇気流が発生して、雲ができます。
このようにしてできた低気圧が温帯低気圧で、いくら風速が早くても台風とは呼びません。
しかし、台風が北の冷たい空気を巻き込むと、温帯低気圧に変わります。
熱帯低気圧と温帯低気圧は、このようなものです。
つまり、南の暖かい海上で熱帯低気圧ができ、それが発達し最大風速がおよそ17m/sになると台風と呼ばれ、
上陸などで勢力が衰えると熱帯低気圧にもどり、
北の冷たい空気を巻き込むと温帯低気圧に変わるということのようです。
ただし、台風がどちらの低気圧になっても、消滅するまでは災害を起こす危険がありますので、注意が必要です。