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残留農薬とは

残留農薬(ざんりゅうのうやく)とは、作物などに残っている農薬のことです。


農薬としては、病害虫や雑草の防除、作物の生理機能の増進・抑制といった目的で、

殺虫剤、殺鼠剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調整剤、発芽抑制剤などが使用されます。


これら農薬は、目的とする作用を発揮したら、

すぐに消えてしまうわけではありません


散布された農薬は、

大気中へ蒸発する、

風雨によって洗い流される、

光および水と反応して分解する、

などして、時間が経つにつれて減少しますが、

収穫するときに残ってしまうことがあります。


農薬は、大半のものが作物の上から散布されるため、

ほうれん草や小松菜などの葉物、キュウリ、ピーマン、トマトなど、

地上で育つものの残留量が比較的多くなります。


農薬の残留量に対する規制

農薬の残留量が多すぎると、人の健康を害しますし、

最悪の場合、命に関わります。

ですから、農薬の残留量は規制されています。


ポジティブリスト制度

現在の規制は、ポジティブリスト制度というもので、

2003年(平成15年)の食品衛生法の改正に基づいて、

2006年(平成18年)5月29日から施行されています。


ポジティブリスト制度では、

すべての農薬、飼料添加物、動物用医療品が規制対象

となっています。


ポジティブリストには、799の農薬などに残留基準が設定されて、

65の物質は対象外とされています。


食品に残留している農薬などの量が、

ポジティブリストに示されている残留基準を超えていた場合、

その食品の販売等は原則禁止されます。


ポジティブリスト制度では、

残留基準が設定されていない農薬などの残留量も、

規制しています。


この制度ができる前は、

残留基準が設定されていない農薬などが検出されても、

販売等を禁止することができませんでした。


これでは、食品の安全性を確保できないということで、

残留基準が設定されていない農薬などの残留量は、

一律基準として0.01ppmと設定されました。

(1ppmは0.0001%(1(=100%)の100万分の1))


一律基準の対象は?

この一律基準の対象となるのは、次のような場合になります。


(1)いずれの農作物などにも、残留基準が設定されていない農薬などが、

農作物などに残留する場合


(2)一部の農作物などには、残留基準が設定されている農薬などが、

当該基準が設定されていない農作物などに残留する場合


日本国内で使用される農薬等については、

農薬取締法や薬事法などにより規制されていて、

それらを使用できる農作物については残留基準が設定されています。


ですから、(1)の場合というのは、

日本国内で使用してはいけない農薬などが残留している場合、

ということになります。


(2)の場合というのは、

自分の畑の農作物には使用してはいけない農薬を、

隣の畑の持ち主が、栽培しているその農薬を使用していい農作物に散布した時、

散布した農薬が飛散(ドリフトと言います。)して、

自分の畑の農作物に農薬などが付着し、残留した場合です。


ADIに基づいて農薬等の残留基準は決められる

ポジティブリストに設定された農薬などの残留基準は、

どうやって決められているのでしょう。


農薬などの残留基準は、

2003年(平成15年)7月1日から内閣府に設置された食品安全委員会が、

人が摂取しても安全であると評価した量の範囲内で、

薬事・食品衛生審議が審議・評価した結果を受け、

厚生労働大臣が食品ごとに設定しています。


この食品安全委員会が安全であると評価した量というのは、

ADI(acceptable daily intake、1日摂取許容量)というものです。


ADIとは、

ある農薬などを、人が一生、毎日摂り続けても、安全であると見なせる、

体重1kgあたりの許容1日摂取量のことです。


このADIは、その農薬などの毒性試験の結果から得られた、

無毒性量を安全係数(100倍)で割ったものです。


無毒性量というのは、ある農薬などを投与する動物実験をした結果、

害のなかった最大の投与量のことです。

ADIには、いろいろな動物実験において求められた無毒性量のうち、

最も小さいものが使用されています。


無毒性量は、動物実験によって求められていますので、

実験動物と人との違い、人の個人差を考慮して

安全係数は100倍とされています。


農薬などの残留基準は、大気中へ蒸発・飛散したものや河川に流れてしまったものを、

人が摂取してしまうことも考慮して、ADIの8割以内になるように設定されています。


食品に残留している農薬などの残留量が、

ポジティブリストの残留基準内かどうかは、

国や都道府県等が検査しています。


輸入されたものについては国の検疫所で、

それ以外の国内で流通しているものについては都道府県等が、

年度ごとに監視指導計画を定めて、検査を行っています。


以上のことから、残留農薬については、

それほど気にするほどでもない気がします。


でも、100%信用しきれない、という思いもありますね。

とはいえ、農薬などが全く残留していない食品ばかり食べられるのか、

というと、私には経済的に無理があります。


家庭で残留農薬を減らす方法

そこで、家庭で少しでも農作物の残留農薬を減らせないか、調べてみました。


皮をむく

キャベツや白菜などは、表面の葉を1枚はがします。

これは、表面の葉ほど古く、農薬を散布されている時間が長いからです。


流水にさらす

イチゴなど皮ごと食べる果物については、30秒ほど流水にさらして、

ザルにあげるだけでも残留農薬を減らせるそうです。


しっかり洗う

スポンジなどを使って、こすり洗いするとかなり農薬を落とせるようです。

トマトは、そのあとに湯剥きするとなお良いです。


食品用洗剤を使って洗う

洗剤が残留しては意味が無いので、しっかりすすいでください。

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塩もみ、板ずりをする

表面を傷つけたり、うぶ毛を取ったりすることで、

残留農薬が出やすくなったり、減ったりするそうです。


塩水、酢水につける

ごぼうや山芋などは、酢水につけてアク抜きしますから、

同時に残留農薬を減らすことにもなっています。

塩水は1%の濃度に、酢水は酢を水で2倍に薄めると、効果が高いそうです。


ゆでる

アク抜きと同様に、ゆで汁は捨ててください。

(このことを、「ゆでこぼし」といいます。)

切って表面積を多くしてから、ゆでると効果が高いです。


加熱調理をする

加熱することにより、残留農薬がある程度分解されます。

こうしてみると、特別変わったことをすることもないみたいですね。

野菜などを洗うのを、今までより丁寧にしていけば良さそうです。