
1.GC8の違法改造状態を解消するには
GC8は、6速化し復活しましたが、このままでは違法改造状態なので、
改造申請をして公認を取らなければいけません。
そうしないと整備や車検を断られてしまう可能性があるからです。
そう簡単には気づかれないとは思うのですが、GC8に詳しい人が見れば、
すぐにバレてしまいます。
そんな心臓に悪い状態が続くのもいやですし、なにより整備してくれた工場に
迷惑がかかるかもしれません。
ですので、改造申請をすることにしました。
2.改造申請について調べる
2-1自分で改造申請をすることに
改造申請は、6速化してくれた整備工場にお願いしようと思っていましたが、
整備工場の所在地は、GC8の登録してある県とは違いますので、
整備工場の最寄りの陸運局では、改造申請できないということでした。
ということで、自分で改造申請をすることにしました。
2-2何が必要か、調査開始!!
まずネットでいろいろ調べてみると、プロペラシャフトを交換しているので、
強度計算をしなければならないという記事を見つけました。
質問サイトでは、GDBの方がパワーもトルクも上なので、
強度計算はいらないという回答もありました。
よく聞く話ですが、、陸運局によって(というより担当者によって)違うのかも
しれません。
県によって、基準とかが変わるのはおかしいと思うのですが、お役所の人は
そう思わないようです。
迷惑な話ですが、それが現実なので、とりあえず強度計算の方法などを調べて、
あとは最寄りの陸運局に行って聞いてみることにしました。
どうせ提出書類について聞きに行くつもりでしたし。
2-3強度計算について調べてみた
強度計算の方法を調べてみると、エクセルで計算できるようにしたファイルを
公開されている方があり、それを使えば計算自体は簡単にできそうです。
ありがたいことです。
ただ強度計算には、材質とプロペラシャフトの外径と内径が必要となります。
どんなに調べても、確信の持てるデータは出てきません。
メーカーに質問しても、材質や内径は公開できないと言われ、
スバルディーラーに問い合わせても「わからない」という回答でした。
どうしようかと思っていたところ、
陸運局で聞いたという方のブログを発見したので、
それも陸運局に行ったときに確認することにします。
3.陸運局へ行く
3-1強度計算について聞く
とりあえず自分で調べられることは調べてから、陸運局に行ってみました。
まずは受け付けで聞いてみると、検査員の事務所に行くように言われたので、
車検ラインの中の事務所に向かいます。
検査が一段落して、検査員の方の手が空いたところで、
改造申請について聞きました。
提出書類の用紙については、コピーをもらい、それに書き込んで提出すれば良い
とのことでした。
プロペラシャフトの強度計算については、GDBの方が馬力もトルクも上で、
GC8のものより長さが短くなっているので、必要ないとのこと。
あぁ~よかった。
また、ミッションとプロペラシャフトの変更は、記載事項変更になるので、
まず書類審査を通して、その後、都合の良いときに施工し、
改造した車両を持ち込んで、実車確認してもらえば良いそうです。
これで、検査を次の車検まで待たなくても良くなりました。
構造等変更検査だと、車検の時と同様に重量税を全額払う必要があり、
残りを払い戻すことはないため、車検の時に合わせなければ、
車検が切れるまでの重量税が無駄になりますから。
3-2必要なもの
あと必要なのは、
・クルマの前後左右の写真(4面図)
・改造に使用したミッションとプロペラシャフトの詳細と写真
・クルマの諸元(GDBとGC8の両方)
・車検証の写し
です。
もうすでに施工している場合には、
ミッションとプロペラシャフトの取り付けた状態の写真が必要なのですが、
まだ取り付けてないときには、単体の写真で良いそうです。
クルマの諸元については、雑誌ではなく
カタログのコピーが必要
とのことでした。
雑誌の記事では、それが正しいかどうかわからないから
というのが理由だそうです。
まあ確かに、GC8を6速化するのに、雑誌も結構調べましたが、
データが間違っていることもあったので、仕方がないとは思います。
でも、GC8やGDBのカタログなんて手に入るのでしょうか?
不安が広がります。
4.書類等必要なものを用意する
4-1カタログを入手
必要なことを聞き終わったら、さっそく家に帰ってカタログの調達です。
ヤフオクを検索してみると、あっさり見つかりました。
ちょっと値段は高いですが、背に腹はかえられません。とっとと入札します。
4-2写真を用意し、書類を作成する
すべてのカタログの落札まで日にちがあるので、
ほかの書類や写真の用意をします。
最初に、写真を用意します。
ミッションの写真は、整備工場で6速と5速のそれぞれを
単体で写してもらっていたので、それをもらってきました。
そのついでに、クルマの前後左右の4面図を写します。
プロペラシャフトの写真は、また外して写真を撮るとなると、
取り外したときにミッションオイルが漏れて、
補充が必要になるかもしれないので、ネットで探しました。
書類については、検査を行っている自動車検査独立行政法人のHPから、
必要な様式のエクセルやワードのファイルをダウンロードできるようになっているので、
陸運局でもらったコピーを使わずに、パソコンで作成することにしました。
カタログがなくてもわかるところを記入していきます。
文字の大きさなど、変なところがあったりしたので、
セルの書式を変更しながらの書類作成です。
4-3ミッションとプロペラシャフトの詳細を作成する
ミッションやプロペラシャフトの詳細は、ミッションは部品番号、
プロペラシャフトは部品番号とサイズ(GC8とGDBの両方)が必要で、
写真も貼り付けた書類を作成します。
プロペラシャフトのサイズは、長さと外径だけでOKです。
書類の画像を載せていますが、空いているところに写真を貼りました。


(クリックして拡大)
書類上、ミッションは変速機、プロペラシャフトは推進軸とします。
GC8、GDB両方のプロペラシャフトが2分割されていますので、
前側を第一推進軸、後ろ側を第二推進軸として、サイズを書きます。
スペックCのプロペラシャフトを使用しているので、
一部細くなっているところのサイズも書いておきました。
(必要なかったのかもしれませんが)
文章にある別紙とは、カタログのコピーのことです。
4-4書類が完成!!
落札したカタログがそろったところで、書類の仕上げです。
データを入力していると、カタログデータと車検証の車両重量が違っていることに
気づきました。
なぜ?と思いながら車検証に載っているデータを入力しながら、
私のGC8は最初から型式に改が付いているので、
もしかしてオプションのロールケージやエアコンの分
増えているのかなと思いました。
ただの思いつきなので、真偽のほどはわかりませんが。
それ以外のところはわかる範囲で入力。
改造後の車両重量(軸重も)は実車確認時に測定するので必要ないと、
検査員の方に聞いたので、空欄のままです。
これが、完成した様式1号、2号、4号の画像です。
様式1号と2号については、表裏あるので、それぞれ別の画像にしてあります。
様式1号


(クリックして拡大)
様式2号


(クリックして拡大)
様式4号

(クリックして拡大)
5.申請開始
5-1まず申請書類を提出
書類がそろったので、次の日に陸運局へ提出しました。
審査には時間がかかるので、審査に通ったら連絡しますとのこと。
しかし、2週間待っても何の連絡もないので、こちらから連絡してみると、
とっくに書類審査は通っていました。
1週間ほどたったら、自分から連絡してみた方が良かったみたいです。
5-2書類審査通過したら
書類審査を通ったので、改造自動車審査結果通知書が発行されました。
実車確認の際には、その通知書が必要なのです。
通知書は、取りに行くか郵送するか実車確認まで預かってもらうかします。
手間が省けるので、預かってもらうことにしました。
預かっててもらえるなんて、その時初めて知りました。
預かり期限は、特にないみたいですが、できるだけ早いほうがいいとのこと。
当たり前ですね。こちらとしてもあまり長引かせたくありませんし。
事前に、陸運局に予約が必要かどうか問い合わせましたが、
記載事項変更の実車確認には、
予約は必要ないとの回答がありました。
また、記載事項変更には、どれぐらい費用がかかるのかも聞きましたが、
どの項目を変更するかによって変わるが、
まあ数十円でしょうとのこと。
これなら、都合の良いときに、さっと車両を持ち込めばいいんで、気が楽です。
といっても、なかなか仕事の都合がつかず、3ヶ月後ぐらいにようやく実車確認して
もらいました。
5-3いよいよ実車確認
ユーザ車検の受付で、改造申請をして書類審査を通り、
記載事項変更のための実車確認をしてもらいたい旨を伝えると、
1枚の書類を渡され、記入して持ってくるように言われました。
内容は車検証を見ながら記入できる内容がほとんどで、
車検証に載っていないのは走行距離ぐらいでした。
記入し終わって提出すると、車を車検ラインの方へ持っていくように言われました。
ただ、どのラインへ並べば良いのかわからなかったので、検査員に聞いて確認をし、
指示されたラインに並んで、順番を待ちました。
いよいよ順番が回ってきて、下回り検査をするピットに進むと、
必要書類を検査員に渡し、実車確認が始まります。
大丈夫と思っていながらも、多少ドキドキしながら待っていると、
ピットの下に来るよう指示されました。
何だろうと思いながら降りてみると、今回の改造申請とは関係ないので、
後でいいから処置しておくようにとのことで、
GC8用のメタキャタの上側のステーを、
加工してでもちゃんと取り付けておくように、
また、排気温センサーのケーブルがサスのロアアームに触っているので、
触らないように浮かせておくように、
そうしないと次の車検は通らないからと言われました。
本来の目的である改造箇所については、問題ないとのこと、ひと安心です。

(クリックして拡大)
↑赤丸内のステーが固定されていません。加工して取り付けるようにとのこと。

(クリックして拡大)
↑こちらの赤丸内のステーは、GDBではなくなっているので、
このままでOKとのこと。
次は、車高、車幅、長さ、軸重を測定するラインに並びます。
2時間近く待って、ようやく順番が回ってきました。
特に問題はないはずですが、何となく落ち着かない状態で測定を待ちます。
6.ついに公認が取れた!!!
測定終了後、記載事項変更に必要な書類と、
預かってもらっていた通知書を手渡されました。
それをもって、登録の受付へ行き、記載事項変更の手続きです。
手続きには、OCRシートの用紙が1枚必要なので、買ってくるように言われ、
隣の建物で購入です。1枚30円でした。
購入したマークシートの用紙を持って、再度、登録の受付へ行き、
必要事項を用紙に記入して提出します。
手続き完了で、記載事項変更された車検証を渡されます。
ちゃんと、改造内容に動力伝達装置とあります。

(クリックして拡大)
これで公認を取れました。
やったー!!
ところで、家に帰ってから改造自動車審査結果通知書をよく見ると、
標準車の車両重量やタイヤサイズがおかしな数値になっていますし、
改造の目的も変わってしまっています。
車両重量はGDBに近いですし、タイヤサイズは、どのクルマのものなのか
よくわかりません。
改造の目的に至っては、「操作性向上のため」と、
わけのわからないものになっています。
まあ、ちゃんと公認が取れたので良いのですが、なんか変な感じです。


(クリックして拡大)