四十肩とか五十肩ってどんな病気?
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四十肩とか五十肩とかは同じ病気

四十肩(しじゅうかた)とか五十肩(ごじゅうかた)とか言いますが、

どんな病気なのでしょうか?


それは、原因のわからない肩関節の周りに起こる炎症で、

肩関節周囲炎とか癒着性関節包炎とも呼ばれています。

英語では、フローズンショルダー(Frozen Shoulder)と呼ばれています。


四十肩も五十肩も全く同じ病気で、発症した年齢によって呼び方が変わるだけです。


40代で起これば四十肩、50代で起これば五十肩と呼びます。

といっても、40代、50代に起こりやすいので、そう呼ばれています。

ただ、三十肩とは言いませんが、30代でなる人もありますし、

60代で起こったら六十肩といわれる場合もあります。


この病気、最初は五十肩と呼ばれていたそうです。

江戸時代に発行された国語辞典の俚言集覧(りげんしゅうらん)に、

五十肩と書かれていて、これが最も古い記載とされています。

四十肩とか六十肩というのは、あとで出てきた呼び方なんですね。


五十肩の原因ははっきりしていない

五十肩の原因は、未だにはっきりとはしていません

ですが、老化や運動不足などが、理由として考えられています。


また、パソコン操作などのデスクワークのように、

猫背や肩が前へ出た姿勢などになりやすい作業を長時間行ったり、

散髪屋、植木屋、内装屋などのように、腕を上げて肩を緊張させることの多い作業を

続けていると、五十肩になりやすい、とも言われています。


あと、スポーツや仕事などで肩関節を酷使して、

痛めたことのある人は治りにくい傾向があります。


症状が似ているが、五十肩とは違う病気

似たような症状なので、以前は五十肩と言っていましたが、

医学の進歩により、痛みの原因がはっきりしたので、

現在は五十肩に含めなくなったものがあります。


それには、次のようなものがあります。


上腕二頭筋腱炎(じょうわんにとうきんけんえん)

上腕二頭筋とは、力こぶを作る筋肉のことで、短頭筋と長頭筋の2つある筋肉のうち、

肩甲骨につながっている長頭筋の腱の炎症です。


腱板炎(けんばんえん)

腱板というのは、ローテーターカフと呼ばれるインナーマッスルのことです。

ローテーターカフとは、肩甲下筋(けんこうかきん)、棘上筋(きょくじょうきん)、

棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)

の4つの筋肉の総称で、回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)とも呼ばれます。


腱板断裂(けんばんだんれつ)


石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)

腱板に、石灰(リン酸カルシウム)が沈着したことで起こる炎症です。


肩峰下滑液包炎(けんぽうかかつえきほうえん)

肩峰下滑液包は、肩峰という肩の上の部分にある、肩甲骨(けんこうこつ)の突起と

腱板の間にあり、摩擦を減らす働きがあります。


五十肩の症状

五十肩の主な症状には、肩の痛みがあります。

腕を上げたり、下げたり、ねじったり、後ろに回したりと、

肩を動かす動きをしようとすると、肩が痛みます。


ただ、肩の痛みと言っても、激痛であったり、鈍い痛みであったりと

発症からの期間で違いがあります。


発症して間もない「急性期」は、「炎症期」、「疼痛期」、「激痛期

などとも呼ばれていて、激しい痛みや刺すような鋭い痛みなどがあります。


何もしていなくても痛みがあったり、

痛みのせいで、夜なかなか眠れないといったことなどがあります。


この期間がどれぐらい続くのかは、人によって差があり、

だいたいは1ヶ月から2ヶ月ぐらい続きますが、2週間前後で終わる人もあります。


急性期には、痛みだけでなく、肩関節周辺が炎症による熱を持ったりします。

急性期を過ぎると、「慢性期」になります。

この時期、痛みは和らいできて、肩を動かせば鈍い痛みはありますが、

何もしなくても痛いということはなくなります。


拘縮(こうしゅく)という、肩関節の動きが制限された状態(可動域制限)が

進行するので、「拘縮期」とも呼ばれます。


慢性期は、半年以上続くことが多いです。

慢性期を過ぎると、「回復期」になります。


回復期という名前の通り、治癒が目前となり、痛みや不快感はほとんどなくなります。


五十肩の対処

五十肩の対処は、これら「急性期」「慢性期」「回復期」といった病期よって違います。


急性期

急性期には、肩に負担がかからないようにします。

痛みがひどい場合には、三角巾などを使うと良いでしょう。


五十肩では、基本的に肩を冷やさないようにしますが、

肩関節周辺が熱を持っているときは、炎症を抑えるために、冷湿布などで冷やします。

炎症が治まってきて、熱が取れたら冷やすのをやめます。

病院では、消炎鎮痛剤や副作用の少ないステロイド系注射などの、薬物療法が行われます。


あと、痛くても動かさないといけない、ということをよく聞きますが、

炎症がひどいこの時期に、無理をして動かすと、

炎症をこじらせてしまう可能性があるので、

運動するにしてもアイロン体操など、腕にかかる負担の少ないものを

無理のない程度行ってください。


アイロン体操

アイロン体操は、振り子体操とかコッドマン体操とも呼ばれています。


やり方は、太ももの付け根ぐらいから腰ほどの高さの台

(テーブルやイスの背もたれなど)に、痛くない方の手をついて、

体を90度まで曲げます。

痛くて90度まで曲げられない場合は、痛まない程度に前屈みになります。


そして、痛む方の手で1kg程度のおもり(きつければ、痛まない程度の軽いもの)を

持って、肩の力を抜いて垂らし、手の甲を体の外側に向けます。


おもりを、肩の力を抜いたまま、振り子のように振る感じで、

前後、左右、円を描くように動かします。


それぞれ10往復を1セットとしますが、

痛まない範囲でできる回数に減らしてください。


慣れてきたら、1日のセット数を増やしたり、体を深く前に曲げるようにしていきます。

ですが、無理は禁物です。


慢性期

慢性期には、温熱療法で肩を温め、癒着を防ぐために肩を動かします。

癒着が進んでしまうと、肩がほとんど動かなくなったりしますので、

肩を動かすことで、できるだけ癒着を防ぎます。


温熱療法は、病院であれば遠赤外線やマイクロ波を使います。

家庭では、温湿布やカイロを肩に貼ったり、

38~40度ぐらいのぬるめのお湯にゆっくりつかるなどで、

肩を温めます。


それと、肩を温めるだけでなく、普段の生活の中で、肩を冷やさないようにしてください。


肩を動かすのは、アイロン体操や壁押し体操、ストレッチなどを、

急性期よりは少し積極的に行います。


壁押し体操というのは、壁に向かって立って両手を壁につき、腕立て伏せを行うものです。


回復期

回復期には、癒着を抑えるために、温熱療法で血行をよくしながら、

体操やストレッチをして、とにかく肩を動かします。


体操は、慢性期までに行ったものだけでなく、棒体操なども行っていきます。

棒体操は、棒を両手で持って、健康な方の手で五十肩の方の手を、引っ張ったり、

押したりして、肩の可動域を広げます。


体操には、他にもいろいろあるようですから、調べてみてもらって、

自分でやりやすいものを選んで行ってみてください。


以上の各病期に挙げた対処以外に、病院では人によって効く効かないが

あるみたいですけど、ヒアルロン酸の注射を行ったりします。

また、あまり多くはないそうですけど、手術が行われることもあります。


五十肩に効くツボ

五十肩に効くツボもあるようで、それには次のようなものがあります。


肩井(けんせい)

雲門(うんもん)

肩ぐう(けんぐう)

外関(がいかん)

肩りょう(けんりょう)

肩貞(けんてい)

天宗(てんそう)

陽谷(ようこく)

陽谿(ようけい)

太淵(たいえん)

大陵(たいりょう)

神門(しんもん)


これらのツボを、押し揉みしたり、お灸をすえたりして、

痛みを和らげたり、血行をよくしたりします。


五十肩を予防しよう

ここまで、五十肩の対処法を見てきたわけですが、

できれば五十肩になんか、なりたくないですよね。

肩の痛みで、普段の生活がしにくくなるなんて、遠慮したいです。


ということで、五十肩の予防法なんですが、

肩を酷使しないようにして、適度に動かすことで予防できるそうです。


重いものを持つ、長時間上を向いて作業するなどは避けた方が良いようです。

といっても、そうせざるを得ない時ってありますよね。


そんな時は、ストレッチなどでほぐして、早く回復させましょう。


デスクワークなど、長時間同じ姿勢でいるような場合には、

時々休憩やストレッチを挟みましょう。


肩を適度に動かすためには、全身を伸ばすストレッチだとか、

ラジオ体操などが効果的です。

対処法にも出てきた、アイロン体操なども良いそうです。

肩関節を、無理のない範囲で、意識して動かしましょう


あと、血行を悪くしないように、冷房などで肩を長い時間冷やさない

ストレスと溜めないといったことに注意してください。


すでに五十肩になって、もう治った方でも、再発することがありますので、

これら予防法を行って、再発を防止しましょう。