スプレーで冷えるのはなぜ?
暑い夏、熱中症予防に体を冷やすアイテムといえば、いろいろありますが、今日はお手軽に体を冷やせる冷却スプレーについて書いてみたいと思います。
夏の暑い日、体が暑くなったら、冷却スプレーをカバンから取り出し、体にひと吹き。
手早く冷やせて、気持ちいいものです。
でも、どうしてスプレーで体を冷やせるのでしょうか。
【原理】
冷却スプレー内には、ガスに圧力をかけて液体にして充填してあります。
この液化したガスは、スプレーすると気体になります。
この気体になる時に、気化熱によってガスが冷却されるので、冷気を体に吹き付けることになります。
冷気を体に当てることにより、短時間ですが部分的に温度を下げることができるというわけです。
冷却スプレーには、ガスだけでなく、エタノールを含んだものもあります。
エタノールは、揮発性が高いので、体に吹きつけたエタノールはすぐに蒸発します。
エタノールが蒸発するときに、体の熱を奪うのでひんやりします。
エタノールだけでなく、メントールを含んでいたりしますが、メントールは体感温度は下げますが、実際に体を冷やす作用はありません。
衣類に吹きつけるタイプには、さらに吸熱・放熱材を含ませ、吸熱・放熱材を吹きつけた衣類に浸透させ、長時間効果を持続できるようにしたものもあります。
こういったところが、冷却スプレーの原理となります。
原理からすると、多くの冷却スプレーの冷却効果は、一時的なもののようです。
ですが、暑い時には、一時的にでも体を冷やせれば、少し楽になるので、他の熱中症対策と併用するのがいいように思います。
冷却スプレーは注意して使わないと、とんでもないことに!
最後に、この夏、車内で冷却スプレーを使って、タバコに火をつけたようとしたとたん、爆発したという事故がありました。
冷却スプレーに使われているガスは、可燃性ガスです。
ですから、冷却スプレーを使用する際には、火の気は禁物です。
スプレー缶にも、火気厳禁と書いてあるはずです。
また、高温になる場所においておくのも、ダメです。
車内に置いておくだとか、直射日光の当たる場所に、スプレーを入れたバッグを置いておくなどすると、爆発の危険性があります。
冷却スプレーはお手軽に使えて便利なものですが、取り扱いには十分注意して、安全に使いましょう。