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サイリウム」って、ご存知ですか?


便秘の解消、お腹の調子を整える、ダイエットなど

といった効果のある健康食品やトクホ(特定保健用食品)に使われています。


では、サイリウムとは一体何なのか、よくわからないので調べてみました。


サイリウムって何?

サイリウムとは、食物繊維のことで、

オオバコ科の植物の種皮外皮を精製したものです。


サイリウムには、種類があり

ブラックサイリウム」と「ブロンドサイリウム

の2種類があります。


ブラックサイリウムの元は、

学名を「プランタゴ・サイリウム(Plantago psyllium)」、

和名を「エダウチオオバコ(枝打ち大葉子)

と言います。


原産地は、ヨーロッパから西アジアで、

種子が黒褐色なのでブラックサイリウムと呼ばれています。


ブロンドサイリウムの元は、

学名は「プランタゴ・オバタ」で、

インドオオバコ」と呼ばれています。


原産地は、インド、イラン、パキスタンなどで、

種子が淡黄灰褐色なのでブロンドサイリウムと呼ばれます。


イサゴール」とも呼ばれますが、これはペルシャ語で馬の耳を意味します。

インドオオバコの種子の形が、

馬の耳に似ているのでこう呼ばれているそうです。


これらサイリウムは、

欧米では緩下剤、インドでは民間の便秘薬

として使用されています。


それ以外にも健康食品で謳われている効果があるのは、

サイリウムの食物繊維の特徴が関係しています。


普通、食品に含まれる食物繊維は、水溶性か不溶性のどちらか一方です。

ですが、サイリウムの場合は水溶性と不溶性の両方が混在しています。

ですので、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の効果が期待できます。


食物繊維には、水溶性と不溶性がある

ここで、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維について、簡単に説明します。


水溶性食物繊維は、水分を吸うと溶けてゲル状になります。

昆布などの海藻、里芋、こんにゃくの成分であるグルコマンナン

などに含まれています。


腸内でゲル状になった水溶性食物繊維は、

余分な糖分やコレステロールなどを包み込み、

吸収を阻害、抑制して排出します。


不溶性食物繊維は、水分を吸っても溶けずに膨らみます。

ごぼう、穀類、野菜などに含まれます。


膨らんだ状態で腸内に入ることで、腸の蠕動運動を活発にし、

便秘を改善します。

また、水に溶けずに腸内に長くとどまりますから、

小腸に食べたものが届くのを遅らせることができ、

食後の血糖値の急激な上昇をやわらげるとも言われています。


サイリウムの場合、この両方の効果を期待できます。

また、サイリウムは多くの水分と一緒に摂ることで、

胃の中で約30倍に膨らみます。

それで、満腹感が出るので、

ダイエットにも効果がある

と言われています。


そして、水溶性、不溶性、どちらの食物繊維も、

腸内の善玉菌を増やす働きがあり、腸内環境を改善します。


サイリウムを使うときに注意すること

このように、

コレステロール値を下げる、

血糖値の上がり方を緩やかにする、

便秘の解消、

腸内環境の改善と、

いいコトずくめみたいなサイリウムですが、使用に際しては注意が必要です。


摂取量の上限があり、1日20gまでとなっています。

摂り過ぎると、下痢や胃痛などの症状が出ることがあります。


まれにアレルギー反応が出ることがあります。

高度に精製されたサイリウムであれば良いみたいですが、

そうでないものでは

アナフィラキシーショックを起こした

という事例が報告されています。


(厚生労働省 サイリウム種皮、サイリウムシードガム等サイリウムを含む食品又は添加物によるアレルギーの報告について


それと、

薬によってはサイリウムに吸収を阻害されて、効きにくくなるものもある

ようですので、病気で薬を服用している方は、病院等でご相談ください。


植物由来だから体に悪い影響は全然ない、

とは言いきれないということでしょう。

サイリウムを使った健康食品を使用される際は、

説明書をよくお読みください。