テングじゃなくてデング熱
少し前の2014年1月10日に、日本を周遊したドイツ人が、
帰国後デング熱を発症したとのニュースがありました。
デング熱、聞いたことのある病名だなあと思い、
そういえば昔「テング熱」と間違って覚えていたことを思い出しました。
名前と伝染病だということも覚えてはいるのですが、
どんな病気なのかはさっぱりわかりません。
ニュースでは、60年ぶりに日本国内で感染した可能性もあると書いてあったので、
どんな病気なのか知っておく必要があると思い調べてみました。
「デング熱」とは、「デングウイルス」による感染症で、
熱帯・亜熱帯地方のアジア、オセアニア、中南米、アフリカで多くみられます。
人から人へ直接感染はしませんが、
ネッタイシマカやヒトスジシマカなどのやぶ蚊を媒介として、
人から人へ感染します。
潜伏期間は3~14日(通常4~7日)で、38℃以上の急な発熱で発症します。
他には、筋肉痛、頭痛、眼の奥の痛み、倦怠感、吐き気や嘔吐、
発病から3~5日ぐらいに「はしか」や「風疹」に似た発疹などの症状が現れたりします。
通常は、1週間程度で熱は下がり、回復します。
ですが、一部には熱が下がりはじめたころ、
鼻出血、歯肉出血、皮下出血など出血症状やショック症状を呈し、
重症化することがあります。
重症化すると、「デング出血熱」や「デングショック症候群」となります。
重症化したら早めに受診
重症化した場合、
早期に適切な処置を受けることができれば死亡率は1%前後ですが、
処置を受けられなかった場合数十%にもなりますので、
早めに受診しましょう。
デングウイルスは、1~4型の4つの型があり、
かかった型に対して免疫ができますが、
他の型に対する免疫はできません。
デング熱にかかって回復した人が、他の型のデングウイルスに感染した場合、
重症化するリスクが増えます。
治療法としては、デング熱に対する特別な治療薬はないので、
対症療法になります。
その際、解熱鎮痛薬として「アスピリン」は絶対使ってはいけません。
また、ワクチンや予防薬もないため、
予防としては蚊に刺されないようにすることしかありません。
蚊に刺されなければ、デング熱に感染しない
もし、デング熱にかかる可能性の高いところに行った場合には、
・皮膚の露出を少なくする。
・虫除けスプレー(DEETを30%以上含むものが効果が高いそうです。)、
殺虫剤、蚊取り線香などを使う。
・「スコーロン」という防虫効果のある生地を使った服などを身につける。
・蚊帳を使う。
といった工夫をしたほうがよいでしょう。
それでも、帰国後デング熱が発症してしまったら、
早めに病院に行って適切な処置を受けましょう。
そして、外出も控えるようにしましょう。
デングウイルスを媒介するヒトスジシマカは、日本にも生息していますので。