
近年、日本でも乗用車にディーゼルエンジンを、載せた車種が増えてきました。
排ガス規制の強化によって、
乗用車用のディーゼルエンジンは一時期廃れたのですが。
乗用車のエンジンの主流はガソリンエンジンで、
ディーゼルエンジンにはあまり馴染みがありません。
そこで、ディーゼルエンジンの特徴をちょっと調べてみました。
ディーゼルエンジンのメリット・デメリット
ディーゼルエンジンには、ガソリンエンジンと比較すると、
次のような特徴があります。
・熱効率が良い
熱効率とは、燃料を燃焼させることで発生したエネルギーを、
どれだけ動力として取り出せたかを表したものです。
自動車用エンジンで比べると、
ディーゼルエンジンは40%ぐらいで、
ガソリンエンジンは30%ぐらい
と言われています。
この違いは、ディーゼルエンジンのほうが圧縮比を高くできるからです。
ディーゼルエンジンの圧縮比は、
自然発火(自己着火)しやすいように20前後なのに比べ、
ガソリンエンジンの圧縮比は高くても11程度です。
・燃費が良い
熱効率が良い分、燃費も良くなります。
ガソリンエンジンに比べ、2~3割良いです。
・CO2の排出量が少ない
燃費が良いだけディーゼルエンジンのほうがCO2排出量は少なく、
石油から精製する時も、軽油の方がCO2の排出量が少ないため。
・トルクが大きい
軽油は自然発火で燃焼するため、火花で点火するガソリンに比べ、
燃焼がゆるやかに広がるので、燃焼時間が長くなり、
高い圧力が発生している時間が長くなるから。
・故障が少ない
ガソリンエンジンのように、燃料に火をつけるための点火装置がいらないのと、
高圧縮に耐えられるよう、頑丈に作ってあるため。
・価格が高い
頑丈に作らなければいけないため。
排気ガスを浄化する装置に、ガソリンエンジンよりコストがかかるためなど。
・重い
頑丈に作られているから。
・高回転まで回らない
圧縮比を高くするために、ロングストロークになるため。
燃焼時間が長いから。
・音が大きい
ピストンなども頑丈で重く、ロングストロークなため。
・NOx(窒素酸化物)やスス(PM)の排出量が多い
圧縮された高圧空気に、燃料を噴射し自然発火させているため、
不完全燃焼になりやすいから。
これらの特徴にあるメリットとデメリットを比べ、
メリットのある分野でディーゼルエンジンは使われています。
自動車用エンジンでは、
技術の向上によりデメリットを減らすことができてきたので、
ディーゼルエンジンの使用割合が高くなってきているということですね。