
クエン酸とは
疲労回復やダイエット、はたまた痛風に効果があると言われているクエン酸。
このクエン酸とは、どんなものなのでしょうか。
クエン酸とは、有機酸であるアルファヒドロキシ酸(AHA)の中の一つです。
レモンなどの柑橘系の果物や梅干しの、あの酸っぱい味の元となっている成分です。

酢の酸っぱい味の成分である酢酸と違い、クエン酸は揮発性ではないのでツンときません。
また、体内でエネルギーを作り出す、代謝経路の1つであるクエン酸回路の構成成分でもあります。
クエン酸回路で行われている代謝
クエン酸回路は、体内に取り込まれた糖質を、エネルギーに変える代謝の経路の一部になります。
まず、体内で糖質を分解してできたグルコース(ブドウ糖)は、細胞内の酵素によりピルビン酸(焦性ブドウ糖)に分解されます。
できたピルビン酸(焦性ブドウ糖)は、ミトコンドリア内に送られ、酵素によりアセチルCoAとなります。
アセチルCoAは、クエン酸回路で各種酵素による反応で、
「クエン酸→cis-アコニット酸→D-イソクエン酸→α-ケトグルタル酸→スクシニルCoA→コハク酸→フマル酸→L-リンゴ酸→オキサロ酢酸→クエン酸」
と、循環する形で変化します。
このサイクルの反応により、二酸化炭素やNADHなどの還元型の補酵素が作られます。
ここで作られた補酵素は、次の代謝系である電子伝達系に渡され、エネルギーの元であるATPが作られます。
このような形で、エネルギー代謝にクエン酸は使われています。
クエン酸回路は、運動不足やストレスによる血管収縮などにより、細胞に十分な酸素が送られなくなると、働きが弱くなります。
こうなると、ピルビン酸から乳酸が産出され、細胞内に溜まります。
そうすると、体内が酸性になってくるので、疲労がたまってきて、アセチルCoAが脂肪を合成して体内に蓄積させます。
ですが、クエン酸回路が正常に働き出すと、乳酸は酵素により、またアセチルCoAになるので、疲労は回復していきます。