ガイガーカウンターってご存知ですか?
ガイガーカウンターは、
正式名称をガイガー・ミュラー計数管といい、
GM管とも呼ばれています。
それでは、ガイガーカウンター(GM管)とはどんなものなのでしょうか。
ガイガーカウンターとは
ガイガーカウンターとは、
ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガスやペニング混合ガス
を封入した筒の中心部に、電極が取り付けてあるものです。
ペニング混合ガスとは、
アルゴンに微量のブタン、ヘリウムに微量のイソブタン
を混ぜたものなどです。
こうすると、ペニング効果により、アルゴンやヘリウムの電離電位が下がり、
分解能が上がるので、ペニング混合ガスが使われたりします。
このガスを封入した筒の中心部にある、+と-の電極間に高電圧をかけます。
通常、この電極間は不活性ガスで満たされているので、電流は流れていません。
しかし、筒の中を放射線が通ると、
封入されているガスが電離して、電極間にパルス電流が流れます。
この通電回数を数えることで、放射線量が測定できます。
通電回数の多いほど、筒の中を通った放射線の数が多いので、
高線量ということになります。
このように、ガイガーカウンターは放射線量の測定はできますが、
原理的に放射線のエネルギー量の測定はできません。
ただ、放射線量を測定できると言っても、
アルファ線やベータ線のような荷電粒子はほぼ100%検出できますが、
X線やガンマ線などの電磁放射線に対する感度はよくありません。
自然放射線以下の放射線量の測定には適しませんし、
一定水準を越えた強い放射線の場合は、全てをパルスに変換できないので、
正確に検出できなかったりします。
また、検出した放射線の種類は、わかりません。
ガイガーカウンターの性能とタイプ
ガイガーカウンターの性能としては、
GM管に加える電圧100Vあたりの放射線量が一定の時のカウント数の増加が、
5%以内であれば高性能といえます。
GM管のサイズの大きい物ほど、
平均的に放射線を捉えることができるため、
測定値が安定しています。
GM管は、通常は端窓型管で窓の材質により、
ガラスマントル型と雲母型があります。
ガラスマントル型は窓がガラスなので、
アルファ線は通過できないため、検出できません。
低エネルギーベータ線も、ガラスで遮断されます。
そういったことから、ベータ線とX線を検出するのに、使用されます。
ただ、感度は悪いです。
ですが安価なので、簡易的なものとして販売されている商品によく使われています。
雲母(うんも)型は、アルファ線も検出でき、ベータ線の感度も良いです。
しかし、窓が雲母なので壊れやすいです。
ガイガーカウンター以外にも放射線測定器はある
さて、よく放射線を測定する機器のことを、
ガイガーカウンターと言っていたりします。
ですが、ガイガーカウンターとは、放射線測定器の一つの種類です。
携帯式の放射線測定器のことは、サーベイメータと言います。
サーベイメータには、上記のGM管式の他、
シンチレーション式、電離箱式、半導体式があります。
それぞれの特徴を、簡単に挙げていきます。
シンチレーション式は、
いろいろな条件下でGM管式より高精度に測定でき、
空間線量や積算線量の計測に使用されます。
価格は、GM管式と比べると高価です。
学術、公的などの用途には、より高価なものが使われています。
電磁放射線に対する感度が非常によいので、ガンマ線の検出に適しています。
逆に、ベータ線の検出には適しません。
電離箱式は、
高い照射線量まで測れますが、
GM管式より感度は低いです。
半導体式は、
精密な測定ができ、
放射線エネルギーを測ったり、
放射線を出している放射性物質の種類を調べることなどもできます。
ですが、運用が難しくコストが掛かります。
これらの放射線測定器は、
空間線量や表面の汚染などを測るのに使われているのを、よく見聞きします。
ですが、それ以外のものにも使われています。
線量計には、シンチレーション検出器もしくはGM管が使われています。
モニタリングポストには、シンチレーション検出器と電離箱を組み合わせて使っています。
これは、それぞれの検出器の感度に違いがあるため、組み合わせて使っています。