
桜の名所といえば、
吉野山、醍醐寺、大阪城公園、弘前公園、
上野恩賜公園(うえのおんしこうえん、通称:上野公園)、目黒川、
静内二十間道路桜並木(しずないにじゅっけんどうろさくらなみき)
などなど、日本全国にたくさんあります。
そうした桜の名所の中に、大阪の造幣局があります。
造幣局といえば、今は独立行政法人ですが、もともとは国の施設でした。
そんな国の一施設だったところが、なぜ桜の名所になっているのでしょう?
気になったので、ちょっと調べてみました。
造幣局本局のある場所は、どんなところ?
造幣局のある大阪市北区天満の旧淀川沿いは、
昔から景勝地として名高いところだったそうです。
春には、一帯に桜が咲き乱れていたと言われています。
そのような地に建てられた造幣局の北には、
伊賀上野の藤堂藩の蔵屋敷がありました。
その蔵屋敷には、各地の桜が集められていました。
明治のはじめに、蔵屋敷に植えられていた桜は造幣局に移植され、
今も受け継がれています。

一般開放は明治から
明治16年(1883年)には、当時の造幣局長の発案で、一般開放が始まりました。
一般開放にあたっては、
表門(現在は南門)から裏門(現在は北門)へ一方通行で通り抜けるようにして、
混雑を緩和したとのことです。
こういったことから、この一般開放は「通り抜け」と呼ばれるようになりました。
桜の通り抜けは、毎年4月の中旬頃に1週間開催されています。
開催期間中は、造幣局構内の旧淀川沿いの560mの通路が開放されます。
どんな桜が植えられている?
造幣局に植えられている桜には、
「紅手毬(べにてまり)」
「大手毬(おおてまり)」
「小手毬(こでまり)」
「養老桜(ようろうざくら)」
といった他では見られない珍種や、
「関山(かんざん)」
「普賢象(ふげんぞう)」
「松月(しょうげつ)」
「芝山(しばやま)」
「楊貴妃(ようきひ)」
などがあります。
全部で131品種、350本植えられていますが、
大半は遅咲きの八重桜だそうです。
だから、桜の通り抜けは4月の中旬頃開催なんですね。
一般に花見というと、桜は「染井吉野」だと思うのですが、
それだともう少し時期が早くないとダメなんじゃないかと思っていたのですが。
それにしても、桜にもいろんな品種があるんですね。
131品種も見られるなんて、一度くらいは桜の通り抜けに行ってみたいものです。
ただ、行列ができるそうなので、行列嫌いの私としては、なかなか気が向きませんけど。