
「ご機嫌」というと、気分の良い様子のことだと思うのですが、
なぜ「嫌」という似つかわしくない文字が使われているのでしょうか?
元々は、あまりいい意味ではなかった
「機嫌」という字は、もともと「譏嫌」と書いていました。
譏嫌の意味は、
そしり(譏り)嫌うこと(他人を非難し、嫌うこと)
です。
やはり、元はあまりいい意味の言葉ではないのですね。

仏教からきていた
この譏嫌という言葉は、仏教の戒律からきた言葉です。
「大般涅槃経」聖行品第七之一に「息世譏嫌戒」という戒律からきています。
この戒律は、他人からそしり嫌われないようにするための戒律の一つです。
息世譏嫌戒には、
他人を不愉快にするような言動は慎みなさい
という意味があります。
この戒律にあるように、他人から譏嫌されないようしましょう。
そのためには、
行動を慎み人の心の動き(機)をうかがい察する
ことが必要です。
そういったことから、
「譏」を「機」に替えて「機嫌」と書くようになったそうです。
それが、後に気分の良し悪しを指すようになり、
現在のような意味で使われるようになったとのことです。
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