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ファビピラビルってどんな薬?ファビピラビルとは、

1998年に富士フィルムホールディングス傘下の富山化学工業の吉田要介氏によって発見され、

富山大学医学部の白木公康教授と共同研究で開発した

RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬です。

インフルエンザの治療薬として開発され、

開発コードの「T-705」とか

商品名の「アビガン錠」や「アビガン

とも呼ばれます。

 

それでは、ファビピラビルの作用機序(薬の効くメカニズム)ですが、

インフルエンザウイルスがどんなふうに増殖するのか、から簡単に説明していこうと思います。

 

インフルエンザウイルスに限らず、ウイルスは宿主細胞を乗っ取ることで増殖します。

ウイルスは、乗っ取った際に必要な遺伝子情報として、DNAかRNAを持っていて、その周りを膜で覆っただけの構造をしています。

インフルエンザウイルスは、遺伝子情報としてRNAを持っているRNAウイルスで、その中の一本鎖(-(マイナス))RNAウイルスに分類されます。

 

インフルエンザウイルスは、まず宿主細胞内へ侵入し、その後RNAを放出します。

これを脱殻(だっかく)と言います。

 

細胞内に放出されたRNAは、タンパク質や遺伝子情報を複製する器官である細胞内の核に送られます。

そうすると、細胞は核に送られてきた遺伝子情報(RNA)によって、

インフルエンザウイルスのタンパク質と遺伝子情報(RNA)を合成します。

 

合成されたタンパク質とRNAから、新しくインフルエンザウイルスが作られ、細胞外へ出ます。

細胞外へ出たインフルエンザウイルスは、他の細胞へ感染していきます。

 

こうした増殖の過程の中で、RNAを複製する際に重要な酵素が「RNAポリメラーゼ」です。

ファビピラビルは、このRNAポリメラーゼを阻害することで、インフルエンザウイルスの増殖を抑制します。

 

従来のインフルエンザ治療薬として有名なオセルタミビル(商品名:タミフル)は、ノイラミニダーゼ阻害薬です。

これは、インフルエンザウイルスを細胞内に閉じ込める作用がありますが、

発症から48時間以内に投与しなければ効果はありません。

しかし、ファビピラビルは、それより遅くなっても効果が期待できます。

 

ファビピラビルは、富山化学工業が2014年3月に日本国内での製造販売承認を取得しています。

ですが、この承認には、

新型インフルエンザまたは耐性を持ったインフルエンザウイルスが流行して、

他のインフルエンザ治療薬が効かないと国が判断、

厚生労働大臣の要請が出されて初めて製造・供給されるという条件がついています。

 

条件がついた理由としては、臨床試験の成績が限られているということと、

副作用として胎児の奇形を生じさせる可能性が指摘されているからです。

 

そのため、

妊婦への投与はしない、

投薬中および投薬後7日間の避妊措置を徹底

するようにとされています。

 

ファビピラビルは、インフルエンザだけでなく、

他の一本鎖(-)RNAウイルスにも効くのではないかと、

2002年頃からエボラ出血熱やノロウイルス等への適用が研究されています。

 

エボラ出血熱への適用については、ニュースになったりしています。

マウスを使った動物実験では、

治療効果はあるが、

投与開始時期によって生存率が大きく変わる

という結果が出ているそうです。

 

フランスは、臨床試験を開始すると2014年10月21日に発表していますし、

富士フィルムホールディングスは、2015年1月にもエボラ治療薬として国際承認される見通しを、2014年11月11日に明らかにしています。

また、フランス人の看護師やスペインで二次感染した看護助手に、実際に緊急対応として投与されていて、経過は良好ということです。

 

ファビピラビルは、インフルエンザだけでなく、エボラ出血熱の治療にも、効果が期待できるみたいですね。

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